街外れの丘にある古い天文台には
麓の校から天文部の学生が夜毎訪れる
大きな望遠鏡と観測装置の側をすり抜け
鉄製の螺旋階段を上階へ上がり
白く光る石造りの扉を抜ければ
そこには此処へ来る天文学生のため望遠鏡が数台並べられている
学校指定と思しき、揃いの紺色をした上着のポケットから
掌ほどの大きさの鉱石を取り出すと、
望遠鏡の見に取り付けた台に載せる
そして、望遠鏡で蒼空の星を辿り
星と、小さな台に載せた鉱石とを鏡筒で繋ぐように設置した
そして、鞄から取り出したノートへ
光と鉱石の状態を記してゆく
光を吸い込んで、星を映して
鉱石は星霰鉱へと姿を変えるのだ
彼らは、星霰鉱を作る研究をしている
星霰鉱はこの国の特産である
乱立した水晶型テラリウムで光を集め
その下で様々な鉱石から育てるのである
白く脆い石は生活に関わるあらゆる物へ
淡く光る石は技術的な分野に関わる物へ
元の鉱石で性質変化する星霰鉱の研究は
発見から幾星霜、未だ続けられている
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